04Getting started

Grok Bot の始め方・使い方(法人向け)

結論

Grok Bot は、デスクトップアプリを入れて Cursor アカウントでサインインし、クラウド上の作業用コンピューターの準備が終わったところから使い始めます。そのあと、最初の Bot に役割を与え、コネクタでアプリをつなぎ、承認のルールを決めます。公式が勧めている最初の仕事は、外部への操作を伴わず、読んで整理して確認できる形で返すだけのものです。

確認日:2026年9月16日本ページの情報は確認日時点の公式情報にもとづくもので、変更される可能性があります。最新の内容は各出典の公式ページをご確認ください。

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使い始めるまでの流れ

Grok Bot は、デスクトップアプリを入れて Cursor アカウントでサインインし、クラウド上の作業用コンピューターの準備が終わったところから使い始めます。画面の表記は英語のため、本ページでは「英語表記(日本語の意味)」の形で書いています。

  1. 契約とアカウントの前提を確認する公式が前提として挙げているのは、対象プランのアカウント、デスクトップアプリ、そしてクラウドへのデータ保存が有効であることです。データ設定が Legacy Privacy Mode(旧プライバシーモード)のままだと、Grok Bot に必要な保存が許可されず、サインインでエラーになります。どの契約が対象かは料金・プランのガイドにまとめています。
  2. デスクトップアプリを入れるmacOS は Apple シリコン版か Intel 版をダウンロードし、ディスクイメージを開いてアプリケーションフォルダにドラッグします。Windows は x64 版か Arm64 版のインストーラーを実行し、スタートメニューから開きます。Linux は .deb・.rpm・AppImage のいずれかです。
  3. サインインする「Get started(始める)」を選ぶか、Settings(設定)から「Sign In with Cursor(Cursor でサインイン)」を選びます。認証はブラウザ側で進むため、その間アプリを開いたままにします。SSO を使う組織では、別の個人アカウントではなく、組織のログインを完了させます。
  4. クラウドコンピューターの準備を待つ初回のセットアップとイメージの更新には数分かかることがあります。「Starting your computer(コンピューターを起動しています)」または「Updating your computer(コンピューターを更新しています)」が終わるまで、アプリを開いたままにします。
  5. 初回の案内を通す初回起動時に、Bot・共有コンピューター・ルーティンの説明があり、どのツールを使うかを聞かれ、コンピューターのセットアップが実行されます。

アカウントは Cursor のものをそのまま使います。公式は「Grok Bot は Cursor アカウントを使うため、Okta や Entra ID に別途 Grok Bot のアプリはない」と説明しており、サインインは既存の Cursor の SSO(SAML 2.0)に従います。情報システム部門が用意するのは、Grok Bot 専用の ID 基盤ではなく、Cursor 側のアプリ割り当てです。

スマートフォンのアプリは iPhone(iOS 18 以降)と Android 9 以降が対象で、iPad は提供開始時点では対象外です。モバイルでは「Login with Cursor(Cursor でログイン)」からサインインし、デスクトップと同じ Bot・会話・ルーティン・共有コンピューターを見られます。一方で、実演による作業の教え込みや、ルーティンのスケジュールと指示の編集、実行履歴の確認、テスト実行と削除は、デスクトップ側の機能です。

最初の Bot をつくる

Grok Bot は、会話ごとではなく「Bot ごと」に仕事を持たせる製品です。公式は、1体の Bot に対して、目的・使うツール・進め方・承認の境界・定期実行の有無をはっきり決めるよう勧めています。公式が挙げている例は Talent Scout(採用候補者の調査)、Expense Manager(経費の照合)、Bug Reproduction(不具合の再現)のように、役割が業務名になっているものです。

つくる手順

  • 初回起動時:「Meet a future teammate(これからのチームメイトに会う)」で提示された候補から選ぶか、「Create your own(自分でつくる)」を選び、名前・主な仕事・進め方を書きます。
  • あとから追加するとき:「New(新規)」を選ぶか Cmd/Ctrl+N を押し、「New chat(新しいチャット)」で「Create new agent(新しいエージェントを作成)」を選びます。「New Agent」という名前で作られます。
  • プロフィールを整える:「Bot actions(Bot の操作)」→「Edit Profile(プロフィールを編集)」で、名前・肩書き・説明・アバターを設定します。
  • 説明文とメッセージを使い分ける:常に守らせたい決めごとは説明文に、その作業だけの指示はメッセージに書く、というのが公式の使い分けです。作業の中で恒久的な前提・境界・責任範囲が見つかったら、説明文を更新します。

最初の依頼の書き方

公式は、最初の仕事として「複数のツールにまたがり、終わりがはっきりしている実際の作業」を勧めています。依頼文には、求める成果、参照する情報源、制約、成果物の形、確認のタイミングを入れます。成果物は「どの形式で、何を満たしていれば合格か」まで指定できます(整形した文書、数式入りの表計算、スライド、フォルダ、根拠付きの提案など)。

Bot を削除すると、プロフィール・会話・ルーティンが消えます。またあとで使う可能性があるなら、削除ではなく非表示(hide)にしておくよう公式は勧めています。なお、Bot が覚えているのは作業上の好みや要約であり、正本の情報源の代わりにはなりません。重要な判断では、そのつど最新のデータを確認するよう案内されています。

コネクタ(アプリ連携)をつなぐ

Grok Bot は、コネクタがあるサービスはコネクタで、ないサービスはブラウザの画面操作で進めます。公式も「使えるならコネクタを優先する。Web サイトをクリックしていくより信頼できることが多い」としています。画面上の表記は「Plugins(プラグイン)」です。

  1. コネクタを追加するSettings → Plugins(設定 → プラグイン)を開き、「Marketplace(マーケットプレイス)」で探して「Add(追加)」を選びます。必要ならブラウザ側で認証を済ませます。導入済みのものは「Yours(自分のもの)」で確認でき、接続ごとに使えるツールを個別に有効・無効にできます。
  2. 会話から呼び出すチャットで「@」を打つとコネクタを添付でき、「/」を打つと保存済みのスキルを参照できます。
  3. ログインは人がやるパスワード、パスキー、2要素認証のコード、CAPTCHA、支払いの確認は、Bot に入力させません。会話から「Agent Computer(エージェントのコンピューター)」を開いて操作を代わり、自分で入力し、終わったら操作を戻して続きを指示します。パスワードや確認コードを通常のチャットに送らないよう、公式が明記しています。
  4. 2回目からは省けるブラウザのセッションは残るため、毎回のサインインは減ります。ただしサイトによっては期限が短かったり、重要な操作のたびに再確認を求めたりします。

コネクタの認証が通らないときは、Settings → Plugins でインストール済みかを確認し、意図したアカウントでブラウザ側の認可を完了させます。接続元のサービス側で認可を取り消していた場合は、いったん削除してから接続し直します。

当社の考え方ここは、情報システム部門との調整が最初に必要になる箇所です。Bot に渡すログインは、その業務に見合った権限のアカウントか。サービスアカウントを使えるか。使い終わったら誰がサインアウトするか。この3点を決めないまま担当者の個人アカウントでつないでしまうと、あとから棚卸しができなくなります。接続先そのものを制限する Network Controls は Enterprise 限定の機能です(法人ガイドの対応表)。

スキルとルーティンを設定する

同じ仕事を繰り返すなら、やり方を「スキル」として保存し、動かすタイミングを「ルーティン」として決めます。公式は、進め方が安定してからスキルやルーティンに変えることを勧めています。

仕組み何を決めるもの設定のしかた
スキル(Skill)作業のやり方。どんなときに使うか、必要な入力とアクセス、手順、結果の確かめ方、返す値、承認が要る場面安定した手順について、Bot に「いま使った手順を◯◯というスキルとして保存して」と頼みます。「Teach a task(作業を教える)」が使える場合は、ブラウザ操作を実演して教えることもできます(記録は最大10分、マイク音声は記録されません)。自分のスキルは Settings → Plugins →「Yours」で Bot ごとに有効にします
ルーティン(Routine)スキルをいつ動かすか。スケジュール、またはイベントをきっかけにした起動対象の Bot に、スケジュールとタイムゾーン、入力元、期待する出力、承認の境界、データが足りないときの扱いを伝えて作らせます。Bot は次回の実行予定を表示します
  • イベント起動:Cursor のアカウント連携から、Slack のメッセージや GitHub の通知などをきっかけにルーティンを始められます。公式は「新着メッセージすべて」のような広い条件を避け、狭い一致条件にするよう勧めています。
  • 管理する場所:「View conversation details(会話の詳細を表示)」→「Routines(ルーティン)」で、有効化・一時停止・テスト実行・編集・削除ができます。削除は即時で、取り消せません。
  • テスト実行は本番の操作をする:「Test run(テスト実行)」は実際に外部への操作を行うことがあります。安全な入力で試し、書き込みを伴う操作は承認してから進めます。
  • 上限:1体の Bot が持てるルーティンは50件までで、実行記録は各ルーティンにつき直近20件が保持されます。
  • 止まることがある:長期間使われないとルーティンは一時停止されます。また、対象のサイトや様式が変わったら、作り直す前にテストし直します。

承認を設定する

承認は、これから行う操作を実行前に止める仕組みです。承認が必要な場面では、これから行う操作とその入力値が会話に表示され、対象・範囲・値を確かめてから応答します。

  • その場での応答:デスクトップは「Allow once(今回だけ許可)」「Always allow(常に許可)」「Deny(拒否)」、iPhone と Android は「Approve once(今回だけ承認)」「Deny(拒否)」です。
  • ルールを決める場所:Settings → General → Auto-review(設定 → 一般 → 自動レビュー)で設定します。「Ask first(先に確認する)」ルールは、該当する操作を必ず止めます。「Allow automatically(自動で許可する)」ルールは、自動レビューが問題を見つけなかったときだけ通します。両方が当てはまる場合は「Ask first」が優先します。
  • 公式が示す書き方の例:「Ask first before sending any external email(社外メールを送る前に必ず確認する)」「Ask first before changing a production dashboard(本番のダッシュボードを変更する前に必ず確認する)」のように、狭く具体的に書きます。
  • 承認しないほうがよい場面:対象や影響を特定できない操作は承認しない、と公式は明記しています。分からないときは、平易な言葉での説明や下書きを先に出させます。
  • 手元の PC での実行:Bot が自分の PC でコマンドを実行する設定は Settings → General → Agent → Execution on Local Computer(設定 → 一般 → エージェント → ローカルコンピューターでの実行)にあります。

公式が「明示的な境界を置くこと」として挙げているのは、メッセージや招待の送信、コンテンツの公開、購入と送金、データの削除・上書き、権限の変更、本番環境の変更、法的な条件への同意です。

承認が想定どおりに動かないときは、まず Settings → General → Auto-review の「Ask first」ルールを確認します。これが「Allow automatically」より優先するため、通るはずの操作が止まっていることがあります。

当社の考え方どの操作を止めるかは、製品の設定より前に、業務ごとに決めることです。当社は「自動で実行/人の承認後に実行/AIには任せない」の3段階に操作を分類してから設定に落とします。考え方はセキュリティと承認設計のガイドにまとめています。

最初に任せる仕事の選び方

公式のユースケース集は、最初は「読んで、調べて、確認できる形にして返す」仕事から始めるよう勧めています。外部への操作を伴わず、レビューできる成果物が出る仕事です。掲載されている8つの例(Sales Outbound、Talent Scout、Paid Media、Expense Manager、Product Performance、Bug Reproduction、Account Health、Chief of Staff)は、いずれも「送らない・変更しない・連絡しない」という指示から始まっています。

  • 公式は、Bot には「漠然とした質問の領域」ではなく「繰り返せる成果」を持たせるよう述べています。
  • 結果を確認したうえで、承認付きの操作やルーティンを足していきます。
  • 分析がルーティンになったあとも、影響の大きい外部への操作は承認の後ろに置いたままにする、と明記されています。
  • 避けるべきものとして、監督のない本番環境の変更、承認のない社外への連絡、本番の顧客データの利用、人の確認を経ない重大な操作が挙げられています。

当社の考え方当社が最初の1件を選ぶときは、公式の考え方に加えて、次の5点がそろっているかを見ます。1つでも欠けていると、「便利だった気はするが、続かなかった」で終わりやすいためです。

  1. 手順が決まっていて、繰り返し起きる月に何度も起きる仕事でなければ、スキルとルーティンに育てる意味が出ません。
  2. 情報が複数の場所に散らばっている1つの画面で完結する仕事は、人がやったほうが速いことが多いです。集めるだけで時間がかかっている仕事を選びます。
  3. 成果物の形が決まっている一覧、下書き、報告書など、出てくるものの形が先に決まっている仕事にします。
  4. 良し悪しを担当者がその場で判断できる出力の正しさを確かめるのに何日もかかる仕事は、最初の1件には向きません。
  5. 間違えても、送信・公開・支払いにつながらない最初は、外部に影響が出ない範囲に閉じます。

部門ごとの具体例はユースケースと、トップページの「このような業務を任せられます」にまとめています。

つまずきやすい点と、公式の確認手順

公式のトラブルシューティングから、導入初期に起きやすいものを抜き出しました。

起きること公式が案内している確認手順
サインインが完了しないアプリを開いたままにして、ブラウザ側で Cursor のサインインが成功しているか確認します。アカウントに Grok Bot のアクセスがあるかも確認します。Legacy Privacy Mode(旧プライバシーモード)のエラーは、Grok Bot に必要な保存を許可しないデータ設定であることを示します。SSO の場合は、別の個人アカウントではなく組織のログインを完了させます
コンピューターの準備が終わらない初回のセットアップとイメージ更新には数分かかります。「Starting your computer」または「Updating your computer」が終わるまで待ちます。それでも終わらなければ、再試行、アプリの再起動、更新の確認、「Update Agent Computer(エージェントのコンピューターを更新)」の順に試します
コンピューターに到達できない再試行、アプリの再起動、「Recover computer」または「Recover Agent Computer(コンピューターを復旧)」、「Update Agent Computer」の順です。「Reset Agent Computer(コンピューターを初期化)」は、復旧と更新が失敗し、同期されていない直近の作業を失ってよい場合だけにします。一時的に到達できないだけなら、Bot のプロフィールと保存された会話が失われるとは限りません
Bot が止まって見える質問・承認・ログイン・CAPTCHA・秘密情報の要求が出ていないかを確認します。利用枠を使い切ったか、オンデマンドの支出上限に達している場合もあるため、使用量と請求を確認します(料金ガイド
サイトが何度もログインを求めるコンピューターの操作を代わって自分でサインインし、2要素認証や CAPTCHA も自分で完了させます。パスワードや確認コードを通常のチャットに貼り付けないよう明記されています。サイトによってはセッションの期限が短く、重要な操作のたびに再確認を求めます
添付ファイルが読めないデスクトップの入力欄で一度に添付できるのは6件までです。文書・画像・音声は1件25MB まで、動画は200MB までです。暗号化やパスワード保護がかかったファイルは読めません
ルーティンが動かない有効になっているか、スケジュールとタイムゾーン、持ち主の Bot が存在するか、プラグインの認証、参照先のシステムに到達できるか、利用枠とアカウントのアクセスを順に確認します
承認が想定どおりに動かないSettings → General → Auto-review の「Ask first」ルールを確認します。「Ask first」は「Allow automatically」より優先します

公式は、問い合わせの際に Grok Bot のバージョン、OS、正確なエラー、Bot やルーティンの名前、発生時刻とタイムゾーン、リクエストまたは会話の ID、再試行の結果を添えるよう案内しています。あわせて、パスワード・ワンタイムコード・秘密鍵・秘密の値は含めないよう明記されています。

当社の導入支援でできること

最初の1体を、業務で使える状態にするまで

  1. 対象業務と最初の1体の選定繰り返し起きて、成果物の形が決まっている仕事から選びます。
  2. Bot の説明文と依頼文の設計常に守らせる決めごとと、その作業だけの指示を分けて書き起こします。
  3. コネクタとアカウントの接続どのアカウントでつなぐか、サービスアカウントを使うかを情報システム部門と決めます。
  4. 承認ルールの設定3段階の分類を、承認ルールと Bot の説明文に落とし込みます。
  5. スキルとルーティンへの定着手順が安定してから保存し、定期実行に乗せるところまで伴走します。

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